筋トレやスポーツに興味がある人なら、仕事量(力×距離)によってメインとして使われている筋肉(筋線維)が違うことをご存知でしょう。
例えば……競技としての100m走と1000m走とでは、メインとして使われている筋肉が違います。
それはまた筋トレにおいても同じで、“力を強くしたい”のか“筋肉を大きくしたい”のか“持久力をつけたい”のか…ひとまとめに筋トレと言っても、目的によって扱う重さや回数・セット数を変えていく必要があります。
筋トレをする上で、よく陥りがちな…
“1種目10回3セットをこなすだけになっていませんか?”
“扱う重量を毎回同じに設定していませんか?”
目的に応じて適切なトレーニングの設定をしていかなければ、なかなか成果が出ず挫折の原因にもなりかねませんし、せっかく割いた時間が無駄になってしまいます。
今回は、目的別に効率よく筋肉を鍛えるために“知っておきたい基礎知識”をご紹介したいと思います。
1.速筋線維と遅筋線維
スポーツや運動、トレーニング時に使われる筋肉は、大きく分けて“速筋”と“遅筋”の2タイプに分けられます。
“速筋”は白く見えるため白筋、“遅筋”は赤く見えるため赤筋と呼ばれています。
速筋線維
“速筋”はすばやく縮むことができる筋肉で、パワーやスピード、瞬発的な力が必要な場面で使われます。
ウェイトリフティングや100m走などでは、一瞬のパワーやスピードが必要になるため主に“速筋”が使われます。
パワーやスピードが特徴的な速筋の弱点は疲れやすさです。瞬間的に強い力が出せる反面、それを持続させる持久力は兼ね備えていません。
遅筋線維
“遅筋”はゆっくり縮む筋肉で、強い力を出すことはできませんが、持久力があり疲れにくい筋肉です。
長距離走などでは、主に“遅筋”が使われます。
一定の力を長時間発揮するのが“遅筋”の特徴です。
速筋と遅筋の割合は?
一つの筋肉における速筋と遅筋の割合は、生まれた時から決まっているそうで、筋力トレーニングや持久力トレーニングによって割合を大きく変えることはできないとのこと。
ですが、それぞれの筋肉の大きさや強さ、持久力などはトレーニングの積み重ねにより向上してきますので、目的に合わせてトレーニングを進めていきましょう。
2.筋力増強のためのトレーニング設定
高重量・低回数
筋力をアップさせるためには、高重量/低回数の組み合わせで筋肉の神経系の発達を目的としてトレーニングを行なっていきます。
3〜6回で限界がくるような重量に設定し、セット数は3セット程度。
セット間のインターバルは長め(2〜5分)に設定し、1セット毎に最大筋力を発揮できる状態で挑みましょう。
“トレーニングのステップアップ例”
【60kg×5回×3セット】を初期設定とした場合、3セット目も5回できるようになったら、次回トレーニングの時に2.5kg重くした【62.5kg】で3セットチャレンジしてみましょう。
この時、セット毎の回数が【5回・3回・1回】などとなりますが、これを62.5kgで5回×3セットできるようになるまで取り組みます。3セットクリアできたらさらに2.5kgプラスして・・・を繰り返していきましょう。
このようにして徐々に重量を増やしていくようにしましょう。
3.筋肥大のためのトレーニング設定
中重量・中回数
筋肥大を目的とする場合は中重量/中回数の組み合わせでトレーニングを行なっていきます。
8〜12回で限界がくるような重量に設定し、セット数は3〜5セット。
セット間のインターバルは、60秒〜90秒を目安にしましょう。
ステップアップとしては、同様に【60kg×10回×3セット】を初期設定とした場合、3セット目も10回できるようになったら、次回トレーニングの時に2.5kg重くした【62.5kg】で3セットチャレンジするようにしましょう。
4.筋持久力向上のためのトレーニング設定
低重量・高回数
筋持久力向上を目的とする場合は、低重量/高回数の組み合わせでトレーニングを行ない、インターバルを短く設定しハイボリュームで行なっていきましょう。
15回以上の回数が可能な軽い重量で3〜5セット、筋肉の収縮を意識し、しっかりとパンプさせていきましょう。
まとめ
目安はあくまでも目安
目的 | 重量 | 回数 | セット | インターバル |
筋力増強 | 高重量 | 3〜6回 | 2〜4セット | 2〜5分 |
筋肥大 | 中重量 | 8〜12回 | 3〜5セット | 60〜90秒 |
筋持久力 | 低重量 | 15回以上 | 3〜5セット | 30〜60秒 |
毎セット全てを出し切る(=オールアウト)
色んなメディアを通してたくさんのことが言われていますが、あくまでも目安にすぎません。ここで紹介しているものもその一つです。
筋力トレーニングで一番重要なことは、全てを出し切ることです。
全てを出し切ることで、筋肉にストレスを与えることができ筋肉の成長へと繋がります!
オールアウトするためのポイントは、ターゲットとなる筋肉にピンポイントでストレスを与え正しいフォームで全てを出し切ること!
『もう限界』のところから『あと1回』を頑張ることでオールアウトに近づくことができます。
“練習でできないことが本番でできるわけがない”とよく言われてましたが、一つ一つのトレーニングで手を抜いていては絶対に成長はないということです。
筋肉を成長させるために、“前回よりも1kgでも重く1回でも多く”という気持ちで取り組むことが成長への近道だと思います。
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