フィットネス事業『Private Gym Add1FIT』を運営しているトレーナーのK2です。
今回は、スクワットの基本となるノーマルスクワットの注意点と効かせるポイントを解説します。
1.ノーマルスクワットの基本動作
- バーベルを肩に担いで立つ。
- 足幅は骨盤幅より1足分外側でつま先は30°外側に向ける。
- 太ももが床と平行になるところまでしゃがむ。
- ゆっくりと元に戻す
- 動作の繰り返し
2.ノーマルスクワットで鍛えられる筋肉
大腿四頭筋
起始:
大腿直筋ー下前腸骨棘、寛骨臼上縁
内側広筋ー粗線の内側唇、転子間線の遠位部
外側広筋ー粗線の外側唇、大転子の外側面
中間広筋ー大腿骨骨幹の前面
停止:膝蓋靭帯を経由して脛骨粗面
作用:股関節屈曲(大腿直筋)、膝関節伸展(筋全体)
大腿四頭筋は、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋という4つの筋肉からなり、太ももの前にある身体で一番大きな筋肉。日常では、歩く・走る・階段を昇る・椅子から立つなど膝を伸ばす動作で使われる筋肉です。
大殿筋
起始:仙骨後面の側方、腸骨の殿筋面の後方、胸腰筋膜と仙結節靭帯
停止:上部線維ー腸脛靭帯、下部線維ー殿筋粗面
作用:股関節伸展・外旋、外転(上部線維)、内転(下部線維)
大殿筋は骨盤の後ろ側にある筋肉で、単体では一番大きな筋肉。日常では立ち上がりや歩く動作などで使われ、鍛えることで脂肪燃焼やヒップアップの効果が期待できる。
ハムストリングス
起始:
大腿二頭筋長頭ー坐骨結節、仙結節靭帯
大腿二頭筋短頭ー大腿骨粗線、粗線中央1/3の外側唇
半膜様筋ー坐骨結節
半腱様筋ー坐骨結節、仙結節靭帯
停止:
大腿二頭筋ー腓骨頭
半膜様筋ー腸骨内側顆、斜膝窩靭帯、膝窩筋の筋膜(深鵞足)
半腱様筋ー脛骨粗面内側に鵞足となり付着
作用:股関節伸展、膝関節屈曲、膝関節内旋(半腱半膜様筋)、膝関節外旋(大腿二頭筋)
ハムストリングスは、太ももの後ろにある筋肉で、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つの筋肉の総称。大腿四頭筋、大殿筋に次ぎ身体の中で3番目に大きな筋肉です。
内転筋群
恥骨筋
起始:恥骨稜
停止:大腿骨の恥骨筋線
長内転筋
起始:恥骨上枝と恥骨結合の前面
停止:大腿骨粗線(粗線中央1/3の内側唇)
短内転筋
起始:恥骨下枝
停止:大腿骨粗線(粗線上部1/3の内側唇)
大内転筋
起始:恥骨下枝、坐骨枝、坐骨結節
停止:粗線の内側唇(深部)、大腿骨の内側上顆
薄筋
起始:恥骨結合の下方の恥骨下枝
停止:脛骨粗面内側に鵞足となり付着
太ももの内側にある筋肉群で、それぞれに作用がありますがここでは割愛します。
ノーマルスクワットでは、補助筋として働く。内転筋がメインターゲットとなる種目にはワイドスクワットなどがあります。
3.前ももにしっかり効かせるポイント
猫背や反り腰にならないように
腰を落として行く時に視線が下向きになると背中が丸くなりやすくなります。
背中が丸くなると腰椎に負担がかかるので視線は正面で猫背にならないように注意しましょう。
反対に、姿勢を意識しすぎるあまり腰が反ってしまう場合があり、こちらも腰部にストレスがかかるため背部はあくまでストレートで行なうことが大切です。
膝はつま先と同じ方向に向ける
一連の動作の中で、最も負荷がかかる位置をスティッキングポイントと言います。スクワットでいうと腰を落として、太ももが床と並行かそれ以下の時点。完全にしゃがみ込んでしまえば負荷は抜けてしまいますよね。
そのスティッキングポイントを通過する一瞬、膝が内側に入りやすくなります。要因としては、下半身の筋肉や足首の柔軟性が関わってきますが、単純に膝を内側に入れたほうが踏ん張りがきくということもひとつの要因となります。
膝が内側に入ると太ももとお尻への負荷が抜けてしまうため、効果的なトレーニングを行なうことができません。鏡がある場合は一連の動作をチェックし、スティッキングポイントで太ももとお尻への負荷を感じながら行なうことをオススメします。
膝がつま先より前に出ないように
腰を落としていく際に、膝がつま先より前に出てしまう例があります。太もも前面をより強化したい場合には有効ですがノーマルスクワットの狙いは太ももとお尻、脚全体を鍛えることなので膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
また、膝を気にしすぎてお尻を極端に後ろに突き出してしまうと今度は太もも前面へ負荷が入りにくくなります。両足の土踏まずを結んだ線の真ん中にお臍を落とし込むようなイメージでやると良い姿勢で行なうことが出来ます。
4.重量と回数設定は目的によって異なる
筋力をアップさせるためには、高重量/低回数の組み合わせで筋肉の神経系の発達を主としてトレーニングを行なっていきます。
トレーニングボリュームは低めに設定し2〜4セット程度。
セット間のインターバルは長めに設定し、1セットずつ最大筋力を発揮できる状態で挑みましょう。
一方で、筋肥大を目的とする場合は中重量/8〜12回程度の組み合わせでトレーニングを行なっていきます。
トレーニングボリュームは高めに設定し3〜5セット。
セット間のインターバルは、60秒〜90秒を目安にしましょう。
筋持久力アップの場合は、低重量/高回数の組み合わせでトレーニングを行ない、インターバルを短く設定しハイボリュームで行なっていきましょう。
まとめ
今回は、スクワットの基本となるノーマルスクワットの方法を解説しました。トレーニングの時間を無駄にしないためにもターゲットを理解した上で、動作のポイントをしっかり押さえて努力対効果を高めていきましょう。
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